<休眠枝の挿し木>
落葉果樹の挿し木は、冬の間に穂木(休眠状態)を採取し、これを冷蔵庫で保存して3月(樹液流動が始まる)頃に行うのが一般的です。
しかし、穂木の保存には冷蔵庫内の場所をとるし、温度・湿度の管理なども面倒です。 そこで、私は穂木の採取と同時に行うことにしています。
挿し木の時期:冬の気温が氷点下になることが少ない千葉市の場合は2月上旬〜下旬
土:
ぶどう、いちじく、キウイフルーツなどは pH6.0〜6.5の土
例、鹿沼土(5割)+赤玉土(5割)
ブルーベリーは pH5ぐらいの酸性の土
例、鹿沼土(7割)+酸性ピートモス(3割)
手持ちの土を実測したところ、「鹿沼土」pH6.3、「赤玉土」pH5.5でした
<緑枝の挿し木>
<キウイフルーツ>基本的に発根し難い。休眠枝挿しより緑枝挿しの方が発根率が高い?
挿し木の時期:7月上旬〜8月上旬
穂木:春に発生した新梢でΦ6〜7oの硬く充実した枝を採取し、軟らかい枝先は使わない
土:鹿沼土+赤玉土など
<ゆず、レモン、カラタチ>
挿し木時期:6月〜
穂木:春に発生した新梢で硬く充実した枝を使う  2〜3枚の葉を残し、各葉は1/2に切り詰める
土:鹿沼土+赤玉土など
液肥:9月〜与え、鉢上げは来春に行う
<パッションフルーツ、パイナップル>
ある程度の温度を確保できれば何時でも挿し木、冠芽挿しが出来る
<挿し木のポイント> 1.穂木は「新しくて硬く充実した枝で、芽が動いていないもの」を使う。 2.は出来るだけ雑菌が少ないものを使う。 ∵ 穂木の切り口から雑菌が入って枯れることが多い。 3.が滞留して腐らないように新鮮な水を頻繁に与える。  4.発根するまでは土を乾かさない 発根後は土が過湿にならないようにする(発根すると二次生長が始まる) 5.発根するまでは、風があたらないようにし、直射日光を避け、半日陰で管理する。

ぶどうとキウイの休眠枝を水苔で挿し木してみました。挿し穂の長さは25pとし、 下部の不要な芽はカットし、頂部の切り口には癒合剤を塗布し、深めの素焼き鉢を使用。
ぶどうは元気よく展葉し、キウイは展葉後、暫くすると全てが写真のように萎れてしまいました。  キウイは展葉しても発根が遅いため、水あげ不足となるようです。
キウイの挿し穂は全て枯れましたが、ぶどうは一応5本全て成功です。 ただ、挿し穂の充実度の違いによる為か、その後の蔓の伸び方には大分差があります。
写真
キウイは「挿し木」が可能ですが発根率が良くないので「とり木」を試してみました。 この春に発生した直径6ミリの新梢に幅10ミリで環状剥皮を施し、水苔を湿らせて巻き付け、乾燥しないようにポリシートで被いました。
WM師匠からキウイのとり木は「カルスが膨らむばかりで発根しない」との情報を得ました。確認したらやはりそのようです。
この時点で「とり木」を諦めて「水挿し」にしてみました。 また気が変わり→
発根が見えるようにペットボトルに水抜き穴をあけて「土挿し」に変更。